その発言が数学・科学の才能を摘んでいる!?子供の好奇心を大切にする6つのこと

子どもに科学への関心を持ってほしいと願う方は、意外に多いのではないでしょうか?
科学館でサイエンスコミュニケーターとして働いていると
「自分自身はあまり理科が得意ではなかった」というお父さん・お母さんが多いことに驚きました。
苦手だった方も大好きだった方も、

わが子の科学への好奇心を伸ばしてあげたい

という想いは変わりません。
けれど、科学館でサイエンスコミュニケーターをしていると、

「それを言っては逆効果なのではないか」

と気になることがあります。
【下へ続く】

科学・数学分野への好奇心はどうやって育てたらいいの?

執筆者の経験から、気を付けたいと思った3つのこととおすすめしたいことをご紹介します。

1.「まだ、早い」と言っていませんか?

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言葉が話せるようになる前から、子どもには思考力を伸ばすために「好奇心」という大切なものがあります。
でも、折角子どもが興味を持っても、

「まだ、わからないだろうなぁ」・「まだ、早い」

という言葉を口にしている方がとても多いのです。
まだ意味を理解できないとしても、子どもが関心を持ったことには、共感してあげてください。
子どもの疑問に真摯に付き合ってみてはいかがでしょうか?

一生「まだ、難しい」と言い続けないためにおすすめしたいこと

科学館体験型展示室


子どもから「これは、なあに?どうしてこうなるの?」と聞かれたときに、どうしていますか?
でも、大切なのは難しい説明を子どもに理解させることではないのです。

子どもが疑問を持つことがあれば、一緒に考えて、幾通りもの答えを出してみましょう。
特に科学館に展示されているものは、専門家でないと、大人になっても難しい内容ばかりです。
ですから、学校の先生でも科学館スタッフでも完璧にわかる人はいないかもしれません。

「まだ難しい」と避けていると、一生避け続けることになるのです。

色々な可能性を考えて様々な答えを探すことは、子どもの好奇心をさらに伸ばし、思考力を高める訓練になりますよ。

2.「あなたは○○が好きだから」と決めていませんか?

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例えば、お子さんの興味のあるものが植物だったとします。
植物が好きなお子さんを植物園に連れて行くことは、とても良いことだと思います。
植物が好きな子どもは、植物園だけで満足かもしれません。
けれども、花の名前を知っているだけではなく、肥料のことや植物の成長のしくみ、植物が生育する環境のことなどへの理解を深めてみたらどうでしょう。
その知識を足掛かりに、趣味の植物だけでなく、科学すべてが楽しくわかりやすく感じられます。

視野を広げるためにおすすめしたいこと

科学館外観
お父さん・お母さんも理科の授業で学んだ経験があると思います。
化学、物理、生物、地学と科目が分かれていますが、実際にはどの分野もすべてが関わりあっていますよね。
「あなたは植物(生物)が好きだから、植物園に」と、親が子どもの視野を狭めてしまうのは、とてももったいないことです
上の例を参考にすると、たまには動物園や科学技術館など、他の分野にも触れる機会を作ってあげてください。
視野を広げ、その関わり合いを感じられるように、親子で色々なところへ出かけてみませんか?

機会を作ってあげられるのは、お父さん・お母さんです。

3.「説明を聞いてきなさい」と子ども任せにしていませんか?

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「ほら、ちゃんと見てきなさい! 説明を聞いてきなさい」
と、子どもの背中を押していませんか?

科学館でよく見かけるもったいない光景のひとつです。

子どもの教育のために来館しているという考えの方も多いかもしれません。
自分たちはもう大人だから、と、子どもだけに学ばせようとしているのかもしれません。
これでは、子どもの好奇心には火がつきません。

意欲的に学ぶためにおすすめしたいこと

科学館展示室物理
もちろん科学館のスタッフは、そういう子どもたちにも関心を持ってもらうべくプログラムを展開しています。
けれど、お父さんやお母さんも説明や実験に参加している子どもの方が、より意欲的です

お父さんやお母さんが科学好きになる必要はありません。
けれども、せっかく親子で来館するなら、子どもと同じ目線で、同じように科学の不思議について考えてみてください。

それが子どもにとって一番プラスの経験になります。

科学への関心を伸ばすためにはどうしたらいいでしょうか?

1.第一線で活躍する科学者に会いに行きましょう!

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科学館や研究機関では、年に数回、実験講座などの体験学習や施設公開を行っています。

これに参加しない手はありません。

こうしたイベントをおすすめする理由は、科学の話をしてくれるのが 科学者・研究者である場合が多いからです。

使命感を持つ大人の熱意に触れませんか?

普段、子どもたちに科学・数学を教えているのは、教育者です。
もちろん、教育者は子どもの扱いにも慣れていますし、楽しく勉強させることも上手です。
けれど、研究者は日々研究室で最先端の科学に向き合っています。
最先端の科学技術に携わる方の生の声を聞き、研究への熱い思いを感じるられるのは、イベントならではです。
自分の研究に誇りを持ち、研究結果を社会に還元するという使命感を抱いています。

使命感を持つ大人の姿を見ることは、きっと子どもにとってプラスになるでしょう。

2.得意分野を通して科学の話をしてみてください!

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お父さん・お母さんも得意分野があるのではないでしょうか?
料理やカメラ、スポーツなど、科学的な視点から子どもと話す機会を作ってみませんか?
自分は理系じゃないから…と仰る方も多いのですが、私たちは科学技術と共に生活しています。
料理や洗濯などの家事、車やスポーツなどの趣味も科学と関連していますよ。

子どもに尊敬できる姿を見せてあげませんか?

例えば、

  • 肉は、どのくらいの温度で調理すると柔らかくなるか。
  • バットのどこにボールを当てればよく飛ぶのか。

こんなことでも、科学の原理と関係します。
得意分野ならば、子どもに話し、出てきた疑問について調べやすいのでお勧めです。

子どもは、親を尊敬したいと思っています。

自分の親が得意な分野について話し合い、一緒に調べることは、とてもうれしいことだと思います。

3.調べものができる環境を整えてあげてください

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子どもが疑問を持った時に、調べ物をできる環境を整えておきませんか?
スマホがあれば、ネット検索することは簡単です。
けれど、それでは知的好奇心は伸びません。
誰かに答えを聞いて満足してしまうと、思考することをやめてしまいます。

考えるチャンスのある環境づくりをしてみませんか?

  • その答えが本当に正しいのか
  • どのような事実に基づいて、その結論が出たのか

など、様々なツールを使って調べる環境を用意してあげてください。
辞典や最新の情報が手に入るネット情報を上手に併用して、子どもの考える力をサポートしてくださいね。
子どもと一緒に考えることは、親の頭も柔軟にしてくれます。
家に辞典を揃えなくてもいいのです。
近所の図書館などでも構いませんので、調べる経験を繰り返し経験させてあげてください。

まとめ

子どもの好奇心の芽を摘んでしまいがちな言葉と行動とお勧めしたいことをご紹介しました。
実生活の中には科学があふれています。
例えばご自身の健康、スマホなどの便利機器も、家計設計もです。
生活と科学は、科目を超えて結びついています。

身近なことにも好奇心を抱ける、科学的な思考力を身に着けることは子どもにとって財産です。
特に小さい頃は、広い視野を持てるようにお父さん・お母さんがサポートしていきたいですね。

ABOUTこの記事をかいた人

サイエンスコミュニケータ 船越 彩

保育士資格を持つサイエンスコミュニケータです。 理系(動物系)の大学院卒業後、科学館で展示解説やワークショップ開催の仕事をしていました。 現在は、男の子ママをしながら、科学と社会をつなぐ活動もしています。 動物が大好きで、息子と動物園へ行く時が一番癒されます。